ブリュッセルから電車で30分ほどかけて、ベルギー第二の都市、アントワープに向かいます。
Antwerpen Centraal
アントワープ中央駅。
最後の3日間、このcentraalを見続けたせいで、英語のcentralを見た時に、なんだか物足りなさを覚えるようになってしまいました。
ホームからエスカレーターを登ると、美しい駅舎が見えてきます。
世界で最も美しい駅ランキングの常連らしいです。およそ100年前にできたもので、繊細な装飾が美しいです。
ここの案内所のスタッフの女性がとても親切でした。
地図を見せて街の中心地を教えてくれて、最後に「どこから来たの?」と笑顔で聞いてくれて。海外一人旅は人の優しさが身に染みる…
ブリュッセルの反省を生かしてロッカーにスーツケースを入れましたが、後でレシートを円換算したら1000円を超えてました。ロッカー代だけで。憎き円安!
地下鉄
本当に何なんだろうこの暗号は。(失礼)
スリが多発する場所なので気を引き締めます。
グローテマルクト広場
ブリュッセルのグランプラスのような広場。
こちらもこぢんまりしてました。ベルギーはとっても小さな国なんだなあ。
チョコレート屋さん ChoFleur
下調べしてあったお店です。お花を模したパッケージのチョコレートがとても可愛らしい。右のボックスを買いました。
チョコレートって、外国はクセがあったりするものもあるし、沢山買って口に合わなかったらどうしようなんて思っていたけれど、完全なる杞憂でした。ベルギーのチョコレートは、どれも最高でした。
なんでもっと沢山買わなかったんだろう。
…と。
ここに来て突然、体調がすこぶる悪くなりました。
フラフラする。
お腹が空いているから?歩き疲れたから?
頭の中で言い訳を沢山並べたけど、この感覚がそのどれでもないのは明らかでした。
パスポートは腰に巻いてるし、バッグの肩紐はジャケットの下だし、スマホもずっと握ってる。だからスリに遭わない自信は割とある。
でも今ここで気を失ったら?
そんなことは考えたことがなくて、愕然としました。
ただお腹が空いているんだと言い聞かせて、レストランに入りました。
メニューの筆記体がちゃんと読めてなくて、予想と違うものが来ました。
それはもう、ぶっ飛ぶくらい違うものが。
何だこの巨大なアスパラガス。私は一体何を頼んだんだ。
友達に写真を送り付けたら大爆笑してました。
「有名なやつ!同僚が食えって言ってた。気に入るか嫌いになるかのどっちかに分かれるらしいよ」
私は後者かもしれなかったです…
というか、一口食べた瞬間、意識が引っ張られそうになりました。いよいよこれはまずいと思って、2本しか食べれませんでした。
いわゆる自律神経失調症というやつなんでしょうけども。この頃から私は、ちょっとしたストレスでクラクラするようになってしまいました。
まだまだ行きたい国は山ほどあるのに、こんなことが不安要素になるなんて悔しい。
オランダへ
もう宿泊地に向かってしまおう。
本当はスーパーでチョコレートを買い漁る予定だったけど、体調が不安で出来ませんでした。ベルギーには心残りが沢山ある。絶対またリベンジしたいです。
ちなみにアントワープには「手を投げる」という意味があって、昔悪さをしていた巨人の手を切り落としたという逸話があります。アントワープの手という、手の形をしたクッキーが有名なので買いました。
小さい頃から外国のお菓子の本が大好きで何冊も読んでいたから、このお菓子の名前は馴染み深いもので、それを旅先でふと思い出しました。
ここ数年、外国の料理をテーマにしたミニチュア作品をいくつも作っていました。
色々充足感に欠けるベルギー旅だったけど、その分もしかしたら、創作意欲にベクトルが向いてくれるかもしれない。
この旅の記録が終わったら、作業机の整理をしよう。
駅に辿り着いて、ブリュッセルからアントワープまで来た時にチケットを買ったのと、同じ機械に向かいます。でも目的地のオランダの地名を検索しても出てこなくて、パニックになりかけました。
国際線は人のいる窓口でしか取り扱っていませんでした。
やっとチケットを発行してもらえました。
Antwerpen Centraal
↓
Breda
↓
Den Haag Centraal
電車に乗れたけど、やっぱりwifiはありませんでした。
電車の中で気を失ったら、一体どこまで行ってしまうんだろう。
相変わらず車内ではGoogle mapのGPSは殆ど作用しなくて、いつベルギーからオランダに変わったのか分かりませんでした。
というか、なんかおかしい。電車の動きが遅い気がする。
あれよあれよという間に、チケットに印字されていたBredaで乗り換えるはずの電車の出発時刻を過ぎてしまいました。
乗り換えの駅で慌てて降りたけど、当然のように次の電車は去ってました。ヨーロッパ、いい加減だなあ!
別の電車を探してホームを彷徨います。
ハーグに着いた時にはもう、午後9時を回ろうとしていました。
Den Haag Centraal
ヨーロッパの夜の明るさには本当に救われる…
こんな主要都市の駅にすらwifiがありませんでした。うん、そんな気がしてた。
ここからは、路面電車(トラム)に乗って宿泊地へ向かいます。
が、乗り場がなかなか見つかりませんでした。路面電車という認識だったのに、なんと駅の2階にありました。固定観念をぶっ壊してくるとは。いいねえ、オランダ。
車掌からチケットを買わなければいけなかったのに、迂闊に後ろの車両に乗ってしまいました。チケットをタッチするパネルにクレジットカードの表示もあったから試してみたけど、何故かVISAもAMEXも使えず。
来たばかりの国で堂々と無賃乗車。
何食わぬ顔で、しかし内心はハラハラしながら乗って、21時20分に宿泊先に着きました。
Airbnbで見つけた家です。ハーグでホテルに泊まろうなんてしたら、めちゃくちゃ高くつくから。
いや、全くもってバリアフリーじゃない家だわ!
インターホンを鳴らしたけど、誰も出ない。
もしかして : 誰もいない
え、嘘でしょ?空き家?じゃあ今夜泊まれないの?もしかして野宿?たった今この国に辿り着いたばかりなのに???
駅に戻ってもwifiがないからホテルなんか探せないじゃん。
そんなことってあるの…
万事休すとは、この為にある言葉だったと思います。
どうしよう。
家の前の階段にへたりこんで絶望していたら、ひょっこりと男性が現れました。
「あれ?君が泊まる人?もう来たの?」
「…あなたがAirbnbのホスト???はあ、I’m SO RELIEVED(ほっとした)」
確かに、数日前にこのくらいの時間についても大丈夫?って、余裕持って遅めの時間の電車の時刻表を送っていたけれど。だからと言って。そもそもそれに返事してくれなかったし。
未だにもやもやしててレビュー書きませんでした。
「今からベッドメイキングするからちょっと待っててね~」
はあ…?
さっきの絶望感を返せ。
どこから来たの?と聞かれて日本と答えたら、「コンニチハ〜」と言われました。全身の力が抜けました。
チケットの買い方が分からなくて無賃乗車しちゃったんだけどって言ったら、そんなん大丈夫!気にしないで〜と笑ってくれました。
宿泊地
海外の家は壁紙がカラフルだから楽しい。
そしてほんとに「鍵」って感じの鍵を未だに使ってるのが面白いです。昔アンティークショップで似たようなの買ったなあ。
そしてどの扉も決まってギシギシ鳴ります。
完全なる住宅街。
でもハーグは大使館とかがある主要都市だし、家賃高いんだろうなあ。
これでやっと、一息つける。
結局ずっとフラフラしてたので、気を失いかけながら寝る支度をしました。
明日は重要な局面があるというのに、翌朝再び目覚めるかすら自信がありませんでした。
そう、明日は午前中に、ついにPCRを受けます。
それからアムステルダムへと向かいます。