アムステルダムはとても居心地のよい街でした。
旅の難所はPCRテスト
コロナ禍がまだ後を引く2022年のゴールデンウイーク、今回の旅の最大の難所となるのは、PCRテストです。
現地発の72時間以内に検査した陰性証明書を提出しなければいけません。
そして日本入国に必要な検査だと、受けた後に再度、日本政府指定のフォーマットに結果を書いてもらいに行く必要がありました。
最終日は11:55に飛行機に搭乗するから、朝早く証明書を取りに行かないといけない。それか、前日にその場で結果が出る高いやつに申し込むか…
しばらく頭を抱えていたけれど、ふと気づきました。出発の72時間前なら、別に前々日に受けたってOKじゃん。
ということで、帰国の飛行機に乗る前々日のこの日に受けることにしました。
予約したのはこの場所。
Corona Lab
ここは割と妥当な価格だったと思います。
日本のオランダ大使館のサイトのおすすめ一覧に載っていない場所だったから、一抹の不安はあったけれど、サイトにわざわざ「渡航先によって必要な検査は違います。ご相談ください」と書かれてたし、ネット上で実際に利用した日本の人も見つけました。
起床
前日は翌朝ちゃんと目覚めるか心配だったくらいなのに、なぜか4時に一度目覚めました。もう自分の身体の事が何もかも分かりません。
部屋の前にバナナとかが置いてありました。
良い人そうなのは伝わったけど、いつから置いてあるのか分からないし食べませんでした…
それにしても、とても可愛い家だなあ。
日本でこんな内装を目指したら、一体いくらかかるんだろう。
宿泊にかかった費用
Airbnbで見つけたこちらのお家、宿泊費は5,738円でした。
デン・ハーグ中央駅に近いのもあって、実際かなり人気みたいで、ひっきりなしに旅人が利用しているみたいでした。でも6000円しなかったからいい方かな。
海外旅行をする人は、普段どれくらいの価格のホテルに泊まってるんだろう。今度誰かと話してみたいです。
私は宿泊地は1番優先順位が低くて、眠れればどこでもいいと思ってます。
だって、海外のホテルなんてどこも同じだし。どんなにお金かけても温泉は無いし。バスタブだって無いとこあるし。トイレの便座は冷たいし。
民家のほうがよほど、インテリアが個性的だったりしてわくわくするから、それもAirbnbを利用する理由の1つになっています。
だから基本は激安のホステル(治安のため一応女子onlyの部屋)、無いときはAirbnb、4年前のイギリス旅では、2泊は駅で野宿と深夜バスの中を経験しました。相当狂ってたな。流石にそんなことはもう二度と出来る気がしない…
朝のハーグ
トラム。
駅からはバスに乗り換えて向かいます。
遅刻したら死ぬから午前中の最後の時間を予約していたけど、10分以上早く来るなと書いてあったし、近くのスーパーで時間を潰しました。
Albert Heijn
唯一wifiがあった、オランダの大手スーパー。大好きだよ。
大きいチーズが沢山売ってたので1つ買いました。
聞くところによると、オランダはチーズ大国で、一人当たりの年間のチーズ消費量は15kgにも上るそう。
PCRテスト
Corona Labで受けます。
スタッフは当然のように英語を話せたし、とても親切でした。
日本に帰るんだね。そう、君が受けるのはPCRだよ。今日の夜結果が出るから、明日書類を書きに来てね。
何気に初めて受けるPCRでした。
はあ。
陽性だろうが、陰性だろうが、終わった。
やっと一つ解放された気がしました。
駅の少し前でバスを降りて歩きました。
レコードの蚤の市…!
みんな夢中でdigってました。
途中にあったエッシャー美術館
エッシャーの作品は上野の美術館で展示があった時に沢山見たので、グッズショップだけ見ました。
内装からして素敵そう。
オランダには沢山の美術館があります。
ゴッホ美術館、エッシャー美術館、レンブラントの夜警があるアムステルダム国立美術館、フィルメールの真珠の耳飾りの少女があるマウリッツハイス美術館。
短期の旅行で全部行くなんて、そんなの到底無理です。
ハーグには、面白い建物が沢山ありました。
アートの世界に飛び込んだような錯覚に襲われてドキドキしました。
こうして写真を振り返ってみると、もうすでに現実感が薄れてきていて寂しい。
駅にスーツケースを預けたので、さあアムステルダムへGO。
おだやかなアムステルダム
イギリス、ベルギーときて、オランダ。
2022年5月のオランダは、もうすでに、本当に誰一人としてマスクをしてませんでした。
PCRは終わったし、アムステルダムは開けてるし、私も一日中しませんでした。
私の大好きなイギリスのロックバンド、Nothing But Thievesに、Amsterdamという曲があります。
そんなことからも、この街には来てみたかったのです。
重そうなチーズの山。
アップルタルトのお店 Winkel 43
行列が出来ていた人気のカフェ、Winkel 43。
名物のアップルタルト
オランダのアップルタルトは、アップルパイに見た目は似ているけれど、生地がザックザク。大量のホイップクリームにたじろぎましたが、ペロリと食べれてしまいました。
前日のベルギーがまだ心残りだったから、ここでオランダの美味しい物が食べれてハッピーでした。
アムステルダムは北のヴェネツィアと言われているけれど、ヴェネツィアはもっと入り組んでいて迷宮のようだったし、対するアムステルダムの運河はまっすぐに整備されていて、道に迷うこともありませんでした。
どこを切り取っても絵になるという点では、ヴェネツィアと同じだな。
世界遺産には色んなものがあるけれど、私は「はい!見て!これが世界遺産の〇〇です!」みたいな建築物1つよりも、こんな風に街全体が世界遺産で、その中をぶらぶら散歩するのが好きでした。
イタリアのヴェネツィアやフィレンツェ、イギリスのエディンバラとかがそうでした。
とても穏やかでした。
I left my heart in Amsterdam
Amsterdam / Nothing But Thieves
Where I could dream and nights were long
「アムステルダムに心を置いてきた
夢を見て 夜が長かったところに」
Amsterdamの歌詞の一部です。
ボーカルのコナーがなんでアムステルダムに心を置いてきたかは分からないけど、確かにここならば、いい夢が見れそうだと思いました。
自転車率がめちゃくちゃ高かったです。
いいなあ。こんな街でサイクリング出来たら気持ちいいだろうなあ。
それから、そのうちの多くの人の籠に花束が入っていました。
オランダの日常風景なんでしょうか。すごく素敵でした。
ゴッホ美術館に来た
ゴッホの作風と相反するような、スタイリッシュでシンプルな建物。いや、だからこそ彼の作品が引き立つのか。
コロナ禍だからか以前からそうなのかは知らないけれど、チケットは時間指定の30分刻みの事前予約制でした。こういう所多いのかな。
始めて行く土地なんて、辿り着くのにどれ位かかるか予測が立てにくいし、ちょっとハードル高いですね。
行った時にはもう当日券は販売終了していて、入館を断られている人がいました。
私は予約してたけど、15分程遅れて到着したから、無事入れるか不安でいました。
でもスタッフは私のチケットを一瞥しただけで、時間も何も確認されずにすんなり中に入れました。海外のいい加減さは、プラスに作用する時もあるんだなあ。
部屋にレプリカを飾るほど大好きな星月夜はニューヨークのMoMAで見たし、メトロポリタン美術館でも何作か見ました。
絶対に見たいという絵は無いと分かってたけど、ゴッホが好きでオランダまで来たなら行かなくちゃ、そう思いました。
Sunflowers
当然のことかもしれないけど、美術館の壁の色が作品を活かすために工夫されていて素敵でした。
Sunset at Montmajour
私は彼の作る空の色と、絵の具のうねりが大好きでした。
それから、彼の名を冠しているミュージアムだからこそ、彼に影響を与えた画家の作品なんかも展示されていました。
精神病棟に入れられて外出が制限される中、彼はなんとか絵を描き続けようと苦心し続けていました。
動き回る姿を必死に描いた、彼のうねるような画風のウサギの絵などもありました。
彼は27歳から絵を描き始めて、37歳で亡くなりました。その10年間に彼の絵の全てがあるのか… なんて濃縮された人生なんだろう。なんだか羨ましくもある。
でもよく、ゴッホは27歳で絵を描き始めたから、何事も始めるのに遅すぎることはないなんてことも言われてるけど、結局彼が評価され出したのは死後だし、結局彼は報われていないじゃないかと、複雑な気持ちになります。
ミュージアムショップ
ゴッホは色彩感覚が天才だから、お洒落な雑貨に化けまくってました。
以前東京にムンクの叫びを見に行った時、沢山のパロディグッズが売っていて、私はそれが好きじゃありませんでした。
だってあれは、彼が当時の社会が求めるアートから脱却して、己の表現の究極を求め、苦悩と葛藤の末に作り出した作品だったから。
完全に解釈違いだと思いました。
でもどうなんだろう。今はもうわかりません。
これは彼の芸術が後世へ渡り歩いていく為の正当な手段なのかもしれない。今はアートの楽しみ方自体が多様化してるし、ただ時代に沿って姿を変えただけなのかもしれない。
美術館の外の芝生には、沢山の人が座ったり寝そべったりしていて、みんな思い思いの時間を過ごしていました。
遠くにあるのはアムステルダム国立美術館。
さて、トラムに乗ってアムステルダム中央駅に戻ります。
そこからは行きと同じ電車でハーグへ。