カザフスタン体験記海外旅行記

【デニス・テン・メモリアルチャレンジ2025】デニス・テンの彫像に花を捧げる

 

 

翌日。

ホステルをチェックアウトして、スーツケースを預けてから、私がまず向かった先は。

花屋でした。

デニスの彫像に会いに行くので、彼に捧げる花を買いたかったのです。

どうしてか、ずっとひまわりを持っていこうと決めていました。

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デニス・テンが亡くなった年

2018年、デニスはここアルマトイで強盗に殺害されました。

 

その夏に、カザフスタン大使館が彼へ花を手向ける機会を設けてくれていました。

その中で、ぼんやりとした記憶ですが、国旗の太陽や彼に似合うからと、ひまわりを持って行っていた方を見て、ひまわり、彼に相応しい花だなと思いました。

 

当時の私は精神的に一番どん底にいた時で、どうして才能ある彼が亡くなって、私が生きているのだろうと、その事実にひたすら耐えられませんでした。

自分という人間を大切にできなかったので、迷ったけれど、自分は彼のファンだと宣言できる人間ではないと思い、献花にもついには行けませんでした。

それから先のこと、彼の彫像がアルマトイに建てられたと聞いて、いつか自分も彼の元にひまわりを持っていくんだと、ずっと思っていました。

 

そしてその日が来ました。

 

花屋でひまわり探し

とはいえ今は10月。ひまわりをまだ売っているお店があるのか不安だったので、周辺の花屋さんに全部ピンを立てていました。

が、ラッキーなことに、さっそく一件目の花屋さんでひまわりを発見しました。

お店の方は英語がほとんど通じませんでしたが、ラッピングはどうする?と身振り手振りで聞かれ、「デニスの彫像の為のものなんです」と伝えたところ、デニスの名前でちゃんと理解してくれ、リボンだけで軽くまとめてくれました。

 

さあ、彼の元へ。

 

デニス・テンの彫像

辿り着いた彼の彫像の足元には、すでに花が何本も置かれていました。

そして背後の石碑には、彼の経歴が刻まれています。

周りを木々が茂る遊歩道に囲まれたこの場所は、とても静かでした。

 

あまりにも切なくて、涙を抑えられませんでした。

彼はカザフスタンで初めてオリンピックでメダルを獲得したフィギュアスケーターで、この国の英雄のような存在でした。そんなことは、フィギュアに大して詳しくもない私にすらわかっていたんです。

彼がまだこの世にいたならば、きっとアイスショーで活躍していたに違いない。

それか、絶対に優しいコーチとして子供たちと向き合っていたに違いない。

いや、ひょっとしたら、まだ現役を続けていたかもしれない。それだってあり得ないことじゃない、25歳で亡くなってから今年で7年。彼が生きていてもまだ32歳だもの。

 

沢山のスケーターたちに囲まれて、慕われて、彼はそこにいただろう。

フィギュアスケートの世界は、本当に大切な存在を失いました。

 

でもミーシャやディアスなどの若手選手の活躍や、カザフスタンにおけるフィギュアスケート文化は、今もとても大切にされ、それどころかこの国の矜持すら感じさせるものになっていることを、こうして現地に来ることで、自分の目で耳で、感じることが出来て良かったです。

 

「きっとデニスは彼の事を誇りに思ってくれているに違いない」

ミーシャが昨シーズンの四大陸選手権、まさにデニスが優勝した10年後の年に同じ会場で、優勝を手に入れた時、人々が口にしていた言葉です。

きっと空から、彼がカザフスタンのスケーターたちの活躍を見守ってくれていることを、静かに祈ります。

 

 

彼の彫像を後にして、カフェへ朝ごはんを食べに行きました。

 

はちみつケーキ、メドヴィク

 

中央アジアで人気のケーキ、メドヴィクを食べました。

お洒落なカフェなので、ケーキもちょっとすまし顔です。伝統的なものを昇華してる感じ、好きだなあ。

海外のお菓子よろしく激甘でしたが、とても美味しかったです。

気に入ったので、このあとにバザールではちみつも買ってしまいました。

 

短い滞在期間ではありましたが、中央アジアの食文化もしっかり堪能できました。

他にも食べたものは沢山あるので、個別に記事を書くかもしれません。

 

そう、この時は知らなかったんです。

夜に空港で帰りの飛行機の搭乗時刻を待っている間、ジェイソンがデニス・テン・メモリアルのまとめをInstagramに投稿しているのを見ました。

 

ジェイソンのInstagram

最後の写真を見てください。

 

その百合、あなたのものだったの…

 

まさか、まさかジェイソンがデニスに捧げた花の隣に、私がひまわりを置いてきたなんて。 

大好きな彼と、想いが重なった気がしました。

 

おわりに

こうして、フィギュアスケート観戦を目的とした、2泊4日のカザフスタンへの弾丸旅は終わりを告げました。

改めて、この地に来れて良かったです。

私にとって、20カ国目の訪問国がこの場所となりましたが、今まで訪れた中で、カザフスタンが一番刺激的な国だなと思いました。

まだまだ自分の知らない世界が広がっていることを知れて嬉しかったです。

またぜひ戻ってきたいなと思います!

 

 

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